- 世界最大のブルーダイヤ「ホープダイヤモンド」伝説
- ホープダイヤモンドの歴史(英文と画像)
- ホープダイヤモンドの数奇な呪いのエピソード
- エンブレーシング・ホープ・一時的に生まれ変わったホープダイヤモンド
- 呪いの伝説には根拠がなかった?ホープダイヤにまつわる謎の数々
- 最後に
青い神秘的な輝きを放つホープダイヤモンド
なんとその大きさはたて:25.60mm よこ:21.78mm 厚み:12.00mm
世界最大のブルーダイヤ「ホープダイヤモンド」伝説
4月の誕生石、ダイヤモンド。
石言葉は「永遠の絆・純潔・清浄無垢」
ダイヤモンドにまつわる逸話ほど、人々にとって興味と好奇心をそそられるものはありません。
中でも広く知られているのがアメリカ・スミソニアン博物館に展示されている「アメリカの至宝」、45.52カラットの世界最大のブルーダイヤモンド、「ホープダイヤモンド」です。
所有した人を次々と不幸に陥れ、身につけた人が死んでいくという呪われたブルーダイヤモンド伝説で有名です。
アメリカワシントンDCのスミソニアン博物館にいつか訪れてこの目で迫力と感じてみたいと思っています。
このブルーダイヤモンドは、映画「タイタニック」の隠れた主人公とも語られる「碧洋のハート」(ハート・オブ・ジ・オーシャン)のモデルとなったそうです。
ヒロインのローズが身につけていたダイヤモンドのネックレスといったほうが
「あぁ、あれ!」と思い出される方も多いかと思います。
ホープダイヤモンドの歴史(英文と画像)
source引用元
ホープダイヤモンドの数奇な呪いのエピソード
ホープダイヤモンドは遠い昔9世紀ごろインド南部のデカン高原にあるコーラルという町を流れる川で、一人の農夫により発見されました。
その後、間もなくペルシア軍がその地に侵入してきて、農夫を殺し、その石を持ち去ります。
ペルシア軍の司令官はその青いダイヤモンドを国王に献上しましたが、その司令官は死刑になり、国王も臣下の謀反で殺されてしまいました。
そして17世紀。フランスの業商人、ジャン・バティスト・タヴェルニエが、インドの寺院に祀られていた ラマ・シタという神像の眼から、それをくり抜いて盗み取りました。
タヴェルニエが持ち帰った当時のホープダイヤモンドをキュービック・ジルコニアで再現したもの
この112.5カラットもある巨大なブルー・ダイヤモンドを手にしたタヴェルニエは、後にロシアで野犬に食い殺されたといいます。
ルイ14世によってカットされる
その後、フランス王ルイ14世に買い取られ、ハート型(約68カラット)にリカットされます。
王は天然痘で病死、また後の所有者、ルイ15世の愛人デュ・バリュー夫人や、ルイ16世王妃マリー・マントワネットが断頭台の露へと消えたのは有名な話です。
ルイ15世の代では窃盗団が王室に侵入し、なんとブルーダイヤモンドを含む宝石類を強奪します。フランス革命中で、国王一家は囚われて幽閉されていました。
持ち主が何度変わっても、ホープダイヤモンドの呪いが終わることはありませんでした。
盗まれた青いダイヤはアムステルダムの宝石師のところへ。
その宝石師の息子が密かにそのダイヤモンドを盗み出し、そのショックのあまり宝石師は死んでしまいます。
息子も盗んだダイヤモンドで大金を手に入れますが、すぐに使い果たし自殺します。
見る人の目を釘付けにするホープダイヤモンド
さてその後、盗難にあっていたはずのホープダイヤモンドが見つかり、1830年頃ロンドンで競売に出されました。
呪いの噂は誰もが知ってはいましたが、ダイヤの価値はもちろんのこと、数々の伝説で有名なことから誰もが手に入れたがりました。
ブルーダイヤを競り落としたのは、実業家のヘンリー・フィリップ・ホープでした。
彼は、オークションでホープを手に入れた時が人生の絶頂期で、 それからは坂道を転がるかのように多くの不幸に見舞われました。ホープはダイヤを買った数年後に破産、死亡しました。
しかし、一族はこのダイヤを手放さず、ホープ家は4代に渡ってダイヤを所有しましたが、富豪だった一族は地に落ちました。
このような歴史を経て、このダイヤは「呪いのホープダイヤモンド」と呼ばれるようになるのです。
この後、「ホープダイヤモンド」はまた、人々の元へ転々とします。
フランスの宝石ブローカーは、気が狂って自殺し、パリの女優ラドル嬢は舞台上で愛人のロシア人に射殺され、その愛人も革命家に殺されてしまいました。
その後の持ち主となったトルコのスルタンは革命によって王位を追われ、ギリシアの宝石ブローカーは妻子と一緒に自動車で崖から転落死します。
ただし、実際はフランス王室、ホープ、トルコのスルタン以外は大部分が実在したという確実な根拠がないそうです。
ホープダイヤモンドと最後の持ち主、マクリーン夫人
そして「ホープ」は最後の犠牲者、マクリーン夫妻の手にわたることになります。
アメリカで出版業を営む大富豪の息子マクリーン氏の夫人は、鉱山業者の大富豪の娘でした。
ダイヤモンドを愛好しているマクリーン夫人は、「ホープ」を見せられると「呪い」の伝説なと笑いとばすように、すぐにそれを購入したといいます。
そして夫人は「ホープ」を牧師のところに持って行き、祝福をしてもらい、それをお守りとして身につけますが、マクリーンの長男が交通事故死。さらに夫は精神病で死に、娘までも変死、その数ヶ月後には、マクリーン夫人も肺炎で病死しました。
このころからまわりの人々がホープダイヤモンドの呪いについて噂しはじめました。ところがマクリーン夫人は最後まで呪いについては否定、ダイヤがなくても自身の人生には起こり得た不幸だったにすぎないと語ったそうです。
その後オークションにだされたホープダイヤモンドは、その呪いの伝説からなかなか買い手が付かなかったものの、マクリーン夫人のダイヤモンドを100万ドルで買い取ったのは、ニューヨーク宝石商のハリー・ウィンストンでした。
1958年、スミソニアン博物館にこれを寄贈、「アメリカの至宝」となりました。
スミソニアンスミソニアン博物館の一番人気となったホープダイヤモンド
エンブレーシング・ホープ・一時的に生まれ変わったホープダイヤモンド
その後、価値が200億円ともいわれるホープダイヤが、半世紀を経て生まれ変わりました。
1958年にスミソニアン博物館に寄贈してから50年が経っていた「ホープダイヤモンド」がまたハリー・ウィンストンの元に一時的に戻ってきたのです。
ホープダイヤモンドのこの50周年を記念したハリー・ウィンストンの歴史的イベントで、「エンブレーシング・ホープ」は予告なしで、スーパーモデルが着用するなど特別展示され、セレブリティなど来場者を大いに驚かせたそうです。
その名も「エンブレーシング・ホープ」 希望を抱いて NY ハリー・ウィンストン・2010年12月
歴史的イベントで新ホープダイヤを身に着け、熱い視線を浴びたスーパーモデルはヒラリー・ローダ
340個もの長方形のバゲット・ダイヤモンドを埋め込んだ彫刻のようなリボンが、この驚異的な大きさの45.52カラット「ホープ・ダイヤモンド」を抱きかかえるように包みこんだデザインとなっています。
シンプルでいて、アシンメトリー(左右非対称)なデザインで両手で希望(ホープダイヤ)を包み込むように抱く、その姿はあたたかで、まるで安らぎを与えてくれるような印象を持ちます。
「呪いの伝説」など笑い飛ばすかのように・・・。
それにしても台座やデザインひとつで一流メゾンの腕にかかれば、これだけの芸術作品に生まれ変わるのですね。
NYのトップ宝飾メゾンであるハリーウインストンはこれによって一世風靡し、その名を永遠に知らしめることになりました。
「エンブレーシング・ホープ」 について
特別展示では、ハリー・ウィンストンの歴史的寄贈から50年が経過したことを記念して特別にデザインされ、ハリー・ウィンストン社が誇る熟練した職人たちの手作業により丹念に作り上げられた新しいセッティング「エンブレーシング・ホープ(希望を抱いて)」が初公開。翌日には「ホープ・ダイヤモンド」はまたスミソニアン博物館へ戻り、2012年まで一般公開された。
出典:伝説のブルー・ダイヤモンド「ホープ・ダイヤモンド」がNYハリー・ウィンストン本店で特別展示
呪いの伝説には根拠がなかった?ホープダイヤにまつわる謎の数々
どんな宝石にも強力なパワーが宿っていると言われていますが、ホープダイヤモンドほどの大きさならことさらです。
私がもっとも恐ろしさを感じるのは、神聖なインドの寺院の神像の目からくりぬいて盗んだという点です。
人々の陰謀にまみれた強欲さを戒めるため天罰が下ったのではないかなどと想像したりしますが、やはり呪いの伝説には根拠がないそうなのです。
そのことについてはこちらのTV番組でも紹介されていました。
NHK ワンダー×ワンダー#54「謎の宝石 ホープダイヤモンド」2011年放送
ワンダー×ワンダー 謎の宝石 ~ホープダイヤモンド~
45カラットを超える世界最大の青ダイヤ「ホープダイヤモンド」。このダイヤは数々の謎と伝説をまとってきた。本来、無色透明のはずのダイヤが、なぜ青色をしているのかという謎に、ダイヤに穴を開ける大胆な実験で挑む。
さらに“悲劇の王妃、マリー・アントワネットも愛した”という、このダイヤは、持つ人を不幸にする“のろいの伝説”が刻まれている。
最新の科学と歴史研究により、ホープダイヤモンドの壮大な物語をひもとく。
実際は、持つ人を不幸にするという数々の呪いの伝説には根拠がなく、宝石商カルティエの、マクリーン夫妻に興味を持ってもらうための「嘘」だった、と番組にあったのですが、それには興ざめした感も否めませんでした。
また実際には、王妃マリー・アントワネットがホープダイヤモンドを身に着けた記録などなかったそうです。
また「呪いの伝説」がもてはやされた背景には、「呪いというものは力がなく貧しい人々にとっては武器のようなもの。
権力者が何か悪いことをして不幸な目にあうと大衆は喜んで「呪いの力だ」などというものだ、
「呪い」は金の力や権力をくじく武器として人気があったのだろうと思う。」というのが調査にあたった専門家の意見でした。
他にも、「ホープダイヤモンド」 に、紫外線をあてると、彩度の低い、美しいピンクレッドに光る謎について紹介されていました。
なぜこのダイヤが「深い青色」なのかが大きな謎とされていましたが、同博物館のジェフリー・ポスト博士が、ダイヤの成分を調べるために、特殊なビームを照射して世界に二つとないダイヤを削るという前代未聞の実験で調査しました。
青い色の原因は、ダイヤに含まれるホウ素であることが解析の結果判明しました。けれどもダイヤモンドが生成される地下深くでは、ホウ素はほとんど存在しないとされているので、なぜ生成時にホウ素が含まれたのかは、今も謎のままです。
ダイヤモンドからの発光は、照射をやめてもなお数秒間続くという不思議な現象は、このホープダイヤだけだそうです。
普通のダイヤモンドでも紫外線を当てると、青く光るのがあるそうですが、それらも照射を止めると発光はしないということも紹介されていました。
まさに神秘の宝石といわれる所以なのでしょう。
そして永遠に神秘であってほしいものです。
最後に
ホープダイヤモンドを身に着けたバービー人形の限定版・ゴージャスですね
もし呪いの伝説が本当ならば、もともと純粋無垢な自然の産物であるダイヤモンドの塊にとっては、人間に翻弄されてはた迷惑な話だったのではないでしょうか。
さきほどの一般庶民にとっては嫉妬の対象だった、という話はなかなか面白いと思います。
スミソニアン博物館に収蔵された現在は、ただ静かに極上のダイヤらしい輝きを放つだけなのかなど、遠くにいてもあれこれ考えるだけでわくわくします。
地球からの贈り物であるこのブルーダイヤモンドが、いずれにしても世界中の人々の憧れの対象であることには違いなさそうです。
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